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語録 117

 聖徒たることは、ものを読むことも聞くこともできず、またおそらく福音書から深遠なものを学びとることのない人であっても、十分可能である。神はその人に、神への愛―それは同時に神の存在をより深く認識する唯一の道でもある―を、別の、もっと直接の仕方で授け給うことができるであろう。使徒パウロは、このようなより高い神の認識について、明確な観念を持っていたことを、その著作のなかで示している。それはコリント人への第一の手紙第十三章(この章が有名なのは当然である)においてであり、この個所は、神学的論議のまん中に、さながら別世界から来た一篇の詩のように、きわ立って見える。(『幸福論Ⅲ』207頁)
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