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語録 110

 ここで次のように問う人もあるだろう。それでは、結局のところ、二十世紀の理性的な人間にとっても、なお奇蹟は存在するのか、と。もしまことの神がいますならば、「然り」である。なぜなら、神みずからが最も大きな、われわれの理解を絶した奇蹟であり、また、神は、みずから欲したまえば、規則正しい事象の生起過程に関するわれわれ人間の観念を超えた事をなす力を持ち給うに違いないからである。一方の問いとその答えは、あきらかに他方のそれと関連している。奇蹟についてことば多く語るよりも、自分でそれを経験するほうが、もちろんまさっている。(『幸福論Ⅲ』111頁)
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