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語録 105

 キリストは疑いもなく歴史上の人物であって、霊ではない。しかも同時に、この人物は、他の歴史的人格や一般に人間の本性についてのわれわれの観念とは一致しない、ある非凡な存在である。(『幸福論Ⅲ』65頁)
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語録 104

 神がどのようにして人間の魂に自分を啓示したまうかは、神に委ねなければならない。神が求め給うのは、愛による従順であって、神の本質に関する洞察ではなく、あるいはまた、うわべだけの儀式でもない。神が与え給うものは、祝福と至幸であって、学問的認識や見神ではない。(『幸福論Ⅲ』64頁)
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語録 103

 キリスト教の信仰の中心は、キリストの復活である。神を信ずることは、まだ比較的に容易である。根底において全く把捉できないもの、考えられえないものであるから、いろいろに想像することができる。キリスト自身が言っていられるように、ひとつの*「霊」であって、いかなる方法をもってしてもそれは決して定義することのできないものである。*ヨハネ4:24(ヒルティ『幸福論Ⅲ』64頁)
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語録 102

 われわれは安んじてこういうことができる。キリスト教会のおごそかな信仰箇条そのもの――すべての信徒を結ぶ唯一のもの――でさえ、それに含まれている若干の点は、たとえわれわれの非難や攻撃を受けるほどではないとしても、それを削ったところでキリスト教自体は亡びはしないであろう、と。(『幸福論Ⅲ』63頁)
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語録 101

 いわゆる「内なる」人間という考えは、特に、そのような疑う余地のない経験に基づくものである。すなわち、内なる人間は、この世において死すべき被い(肉体)に包まれて生きているが、十分に成長をとげれば、この被いを越えて生きるように、すでにこの地上で予定されているという思想である。この前提が正しいものとして認められるならば、多くの問題、たとえば不死の問題それ自体とか、キリストの復活とか、その他自分の生涯における、また特に内面的傾向の強い人々の生涯における、説明しがたい多くの出来事が、ほとんど無理なく説明される。しかしこの前提は、すでに人間の神秘的領域に深くふみ込んでいる問題であって、常に警戒を怠ってはならない。(『幸福論Ⅲ』41頁)
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語録 100

 ひとはこの霊をばその現実のはたらきにおいて経験することが可能である――また元来、それは経験するよりほかはないものである。そして、この霊が、かつてそのような経験を持った人々に対して、霊自身の存在とその接近とを否みがたい明白さをもって示現する方法こそが、あの比類を絶した幸福感なのである。この幸福感は、このように神の近くにあることと不可分であり、したがって、その実感は現世において当然感得せられるばかりでなく、まさに神の存在の最上の証明として欠くことのできないものである。(『幸福論Ⅲ』23頁)
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語録 99

 キリストの本質についても、あのような完全な霊がひとりの人間のなかに完全に宿ったこと、あるいは、それが肉体をとって現われたということ以外には、説明できない。(『幸福論Ⅲ』20頁)
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語録 98

 神はまた、明らかに、われわれ人間の思考力をもって完全に理解できたり、あるいは言葉でもって言い表しうるようなものではなく、いずれにせよ、それよりもはるかに偉大なものである。人間の理解力のなかでは、神は実にさまざまな姿をとって現われる。(『幸福論Ⅲ』20頁)
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語録 97

 ただ知的見地からしては決して明るくすることのできない暗やみの中に、燦然と輝くもう一つの点は、次のような思想である。すなわち、われわれがすでにこの地上において信頼すべき友であることを知った万物の主は、来世においてもまた、この世とまったく同じ方であるにちがいない、ただ、われわれは今よりもさらに密接に結ばれ、さらに明らかにその姿を知ることができる、という思想である。(『幸福論Ⅱ』240頁)
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語録 96

 あらゆる疑問と謎とに満ちた現世の生活に、道理ある解決を与えるものは、ただ死後の生命存続の思想である。このような生命の存続の思想なしに、現在あるがままの不正や苦悩や情熱にみちた現世だけについて、正義と全能の神を信じようとしても、それはもともと全く不可能なことである。だから、来世を信じるか否かの一点によって、われわれの人生哲学の全体が左右されるのである。わたしは、来世における生命の継続を確信しているが、それがどんな形のものかはわからない。(『幸福論Ⅱ』237―238頁)
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