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語録 107

 生涯のある段階において、人によればほとんど気づかないほど徐々に、また他の人の場合には驚くほど突然に、ある説明しがたい事が起こらねばならない。それは神の恩寵、召命、救済、聖霊の施与と呼ばれうるものであって、これなしには、どんな人間の美徳や知恵にもつねにどこか凡庸さがつきまとい、それを実地に用うるにあたって不安定をまぬかれない。(*まず神みずからが語るのでなければ、信仰は存在しない、信仰そのものが聞く以外に、神の言葉は存在しない。)しかし、それは、あなた自身にそれを欲する意志があって、しかもその意志を神に委ねるならば、必ずやって来るものである。これは確信してよろしい。そののちは、神みずからが、きわめて個性的な人間の精神を、実に細かい点にいたるまで、ちょうどその人の正しい進歩に最も役立つような道を選んで導いてくださる。どのような聡明さもこれにまさる道を見出すことはできない。(『幸福論Ⅲ』79頁)
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