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語録 157 

 この書こそ、読むべきでなく、まさに食らうべきもの。
 ただ読む者は、耳に入りしことをあまりに早く忘れ去る。
 されど神のみ言葉、おのが血肉となる人は、
 それによりて力を得、神と一体となる。
 そこに誌されし史上のことどもをそらんじても、
 ただうわべのことのみ、むしろ心にふかく銘じなければならぬ。
 文字は事をなしえず、形象(かたち)は命を奪うのみ。
 精神にしてかつ生命なるものこそ、霊の本性を備う。
 それは骨髄を貫き通して、生ける実在を生む。
 それは言葉なしにも語り、病める者を癒す。
 それによりて予言者の眼光と理知と明るき精神は生まれ、
 清き器をとおして、他人にも清らかに流れ入る。(『幸福論Ⅲ』323頁)

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