語録 140

　最も重要な事は、自分が祝福を持つことではなくて、みずからひとの祝福となることである。これこそ、ほんとうの人間的偉大さであり、それ以外にそれに比すべきものはない。いわゆる「英雄」とは、このことによって、つまり、その人がその民族、その時代、いや、おそらくあらゆる時代にとってさえ、その祝福であったかどうかによって、判断さるべきである。これが歴史の正しい審判でもある。（『幸福論Ⅲ』284頁）