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語録 64

 キリスト教の最初の時代に現れたあの霊的な能力が、今でも存在しうることは、否定できない。第六感とか透視力とか呼ばれるものも、やはりありうるものであって、普通には目に見えないものや耳に聞こえないものが、そういう能力のある人たちには、往々知覚されるのである。こういう能力は、きわめて慎重に取り扱うべきものである。タボル山上で使徒たちが見た事も、そういうふうに説明せらるべきであるが、ことキリストの復活に関しては、同じような説明はできない。人間が体験しうる最高最善のことは、透視などではなくて、神のそば近くあるという実感であって、これはそのような異能とは全く無関係である。(『眠られぬ夜のためにⅡ』86頁)
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