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語録 8

 夢は、ある人の主な生活内容をなすものが何であるかを示す目印である。夢がただ肉体的な事柄だけにかぎられず、もっと精神的になりはじめたら、それはよい徴候である。この段階に達した時に初めて、神の働きかけが行われているといえるのであって、それを見のがしてはならない。
 幻覚は、夢とは全く別なものである。すなわち、これは一種の内的な視覚(もしくは聴覚)であって、完全に目ざめているときに、きわめて明瞭に現われてくる。これはいつでも大へん厳粛な事柄である。
 さらに、気分が全般的に喜ばしさや元気にあふれているのは、これらとはまた違ったものである。こういう気分もわれわれの精神がみずから生みだしたものではなく、むしろ、自然的な抑圧状態から精神を立ち直らせようとするものであって、人生の最も大きな喜びの一つである。このような気分だけは、われわれの思想を内面化して、神にしっかり結びつくことによって、ある程度よび起すことができる。(『眠られぬ夜のためにⅠ』89頁)

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