語録 6
内的な進歩が行われるには二つのものが必要である。それは、われわれに話しかける声と、それを聞くことのできる耳とである。
われわれの精神とは全く別の、叡知をもって導くある霊の配慮が存在すると信ずべき理由がほかにないとしても、しかし次のような経験はその存在を裏書きするものではあるまいか。例えば、わたしの内的進歩に役立った書物はすべて「思いがけなく」私の行く手に現われたものであって、自分で探し求めた本からはいわば何一つ学ばなかったということである。おそらく、それらの本に学ぶべきことが何もなかったわけでなく、それを受け入れるにふさわしい時期がまだ来ていなかったからである。(『眠られぬ夜のためにⅠ』72頁)
われわれの精神とは全く別の、叡知をもって導くある霊の配慮が存在すると信ずべき理由がほかにないとしても、しかし次のような経験はその存在を裏書きするものではあるまいか。例えば、わたしの内的進歩に役立った書物はすべて「思いがけなく」私の行く手に現われたものであって、自分で探し求めた本からはいわば何一つ学ばなかったということである。おそらく、それらの本に学ぶべきことが何もなかったわけでなく、それを受け入れるにふさわしい時期がまだ来ていなかったからである。(『眠られぬ夜のためにⅠ』72頁)