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語録 2

 神の恩寵にあずかっている事実は、普通、次の二つのことではっきり認められる。まず第一に、往々全く突然、なんらかの外的原因もなく現われてくる超地上的な喜びによって。しかし一層確かなしるしは、そういう人が、エゴイズムと結びついた事柄では決して成功せず(他の多くの人たちはいつもうまくいくのに)、むしろ困難な事、常ならぬ事では不思議と立派に、しかもたやすく成功することである。ともあれ、自分がこの恩寵にあずかっているかどうかを、反省するのは無駄なことである。だれでもそれを心から願い、他の人生の宝を一切なげうってそれを得ようと決意するひとは、それ以外の犠牲や準備なしにも、恩寵を受けることができる。いや、そういう人はすでにそれを受けているのであって、やがて上に述べたしるしも現われ、まもなく疑う余地がないほどになる。(『眠られぬ夜のためにⅠ』45頁)
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