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語録 66

 主自身ばかりでなく、パウロも、来世の生活の様子については、ほんのわずかしか語らず、すでにこの地上の生活を未来の生活の準備としてきた人びとに、来世では疑いのない善福が与えられるという確実な期待を抱かせることで満足している。だから我々も、それで満足すべきである。肉体なしの生活が行われるということは確かである。また、来世では、神に一層近くなり、新しい精神的進歩をなすであろうということも、まちがいなく想定してもよろしい。だがその他のことはすべて確実ではない。この地上で交わったすべての人と再会できるか、またこの世での私たちの個性をそのままに保持するかどうかも、不明である。善き最終目的に到達するために、なおこの世で出来るだけのことをするのが、最もよい道である。(『眠られぬ夜のためにⅡ』105頁)
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